格安SIMって何?どんな会社がやってるの?
VoLTE(ボルテ)対応?それとも非対応?
VoLTE(ボルテ)というのは、「Voice over LTE」の略で、新しい通話の方式です。現在は、データ通信はLTE、音声通話(電話)は3Gを利用しています。要は、データ通信と音声通話が別々の企画で成り立っているのですが、データ通信と音声通話をLTEに統一したのがVoLTEです。
1番のメリットとしては音声通信の高品質化ですが、auのiPhoneを格安SIMで利用する場合、注意しなければならない点があります。それはVoLTE対応の端末にはVoLTE対応の格安SIMを選ばなくてはいけません。新しい端末ほどVoLTE対応の可能性が大きいので確認する必要があります。
iPhone 6以降はVoLTE対応でも非対応、どちらの格安SIMでも対応可能です。
通常のau回線の格安SIMならそのまま乗り換えが可能です。
ただし、VoLTE対応の格安SIMを使う場合は、au回線でもSIMロック解除が必要なので一手間増えます。
格安SIMとは?
そもそもSIMカードというのは、携帯電話やスマホで通話・通信を行うために必要なカードです。カードには電話番号などの情報に加え、固有のIDも記録されており、所有者を識別する働きを持っています。とはいえ、本来ドコモやau、ソフトバンクといった3大キャリアとスマホを契約すると、ショップの方でSIMカードを差し込んでくれるので、あまり目にしたことがないという方も多いかもしれません。
SIMカードには標準、micro、nanoといった3種類のサイズがあります。これは組み合わせる端末によって適合するサイズがあるので、自分のスマホに合ったサイズのSIMカードを選びましょう。もし、自分のスマホよりも小さいサイズのSIMカードを買ってしまった場合には、アダプターを噛ますことによって使えますが、大きいものを買ってしまった場合、買い直す以外に対応ができないので注意して下さい。
そして格安SIMでは、そのSIMカードを販売しています。とはいっても、カードが格安という意味ではなく、安くなるのは月額料金の方です。本来3大キャリアでスマホを契約しようとすると、5000円〜7000円ほどかかります。しかし、格安SIMにすると、それを1600円前後にまで抑えることができるのです。具体的な料金については、後ほど詳しく説明しています。
MVNOとは?
格安SIMを提供している会社は、MVNOと呼ばれます。Mobile Virtual Network Operatorの略で、これを日本語で表すと「仮想移動体通信業者」となります。移動通信体=携帯電話というイメージは容易につくかと思いますが、なぜ「仮想」なのかというと、実はMVNOはその会社独自の回線を持っている訳ではなく、キャリアから回線を借りて、それを提供しているからです。
実際にキャリアの方はMNO(Mobile Network Operator:通信移動体業者)となり、Virtualが外れます。これは、キャリアがそれぞれ自分たちで回線を用意しているからです。つまり格安SIMとキャリアは同じ回線を使っているため、乗り換えたからといっても電波がつかみにくくなってしまうということはありません。
そのかわり、時間帯によっては(特に平日の昼12時前後は)少し速度が遅くなってしまうことはありますので、そこは注意しなければなりません。ちなみに、ほとんどのMVNOはドコモから回線を借りていますが、auから回線を借りているMVNOもmineoやUQモバイルなど、少数ながら存在しています。
ソフトバンクから回線を借りているところは今までありませんでしたが、最近になってU-mobileやb-mobileが初のソフトバンク系MVNOとしてのサービスを開始しました(一応Y!mobileがソフトバンクの回線を使うことができますが、Y!mobileはもともとソフトバンク傘下の企業であり、回線を借りているのではなく共用しているため、厳密にはMVNOとは違います)。
MVNOってどんな企業があるの?
格安SIMが不安という方にとって、そのシステムがよくわからないという理由の他にも、そこが企業として信用できるのかどうかが心配という方も多いかと思います。確かに、MVNOの中にはまだ知名度が高くない企業もありますが、一方で誰もが知っているような企業が格安SIMを提供しているということも多いです。むしろそちらの方が多いかもしれません。
最も多いのはプロバイダ会社でしょうか。OCNモバイルONEはNTTコミュニケーションズが運営していますし、それ以外にもビッグローブやNifMoといった、よく知られたプロバイダ会社が格安SIMサービスを展開しています。格安SIMでずっとシェア数上位を誇っているIIJmioも、やはりプロバイダ会社であるインターネットイニシアティブがサービスを提供しています。
それ以外だと、楽天が運営する楽天モバイル、DMMが運営するDMMモバイルのように、インターネット上で様々なサービスを行っている企業が格安SIMを展開しているということもあります。企業の信頼性が心配というのであれば、こういった大手企業を選ぶと良いでしょう。
格安SIMってどんなメリットがあるの?
では、格安SIMのメリットについて紹介していきましょう。
格安SIMで最大のメリットは料金
格安SIMで最大のメリットは、なんといっても料金が安くなることです。キャリアでは月5000円〜7000円ほどだった月額料金が、なんと1200〜2000円程度にまで抑えることができるのです。格安SIMには080〜、090〜の電話番号で通話が可能な「音声通話SIM」、データ通信のみができる「データ通信SIM」の2種類があります。
データ通信SIMは1GBプランなら500円前後、3GBのプランなら900円前後、5GBのプランなら1300円前後の料金に、そして音声通話SIMはそれに+700円された1200円〜2000円ほどの料金になることが多いですね。もちろんこの料金はあくまで目安で、どのMVNOを選ぶかでもかわってきますが、ほとんどの場合はこれくらいの料金になると思っていただいてかまいません。
キャリアほど縛りは強くない
また、キャリアほど縛りも強くありません。キャリアではいわゆる2年縛りがあり、不満があったとしても簡単には解約できません。しかし、格安SIMでは音声通話には1年ほどの最低利用期間がありますが、それ以降の縛りは一切なし。データ通信SIMにはその最低利用期間すらもないのです。
格安SIMのデメリット
平日の昼間は通信速度が落ちる
格安SIMの最大のデメリットは、通信速度です。特に平日の昼間、お昼時など回線を使う人が増える時間には通信速度が遅くなる場合があります。酷い時にはインターネットも満足にすることが難しいほど遅くなってしまうこともあります。それでもLINEでメッセージを送るくらいなら何とかできるのですが・・・。キャリアの通信速度は非常に安定しているため、昼間の時間帯にも良くネットを使うという人は、ややストレスになってしまうかもしれません。
だいたい昼間の時間帯は1Mbpsほどの速度が出れば良い方だといわれています。それくらいの速度があれば、ネット閲覧は十分できますし、3MbpsもあればYoutubeの動画も視聴可能です。しかし、それくらいの速度が出せているのは、格安SIMの中でもほんの一部。ほとんどの格安SIMではその半分、0.5Mbpsも出ていないことも多く、このあたりはあきらめなければなりません。
トラブル時に駆け込むショップがない
そしてもう1つ大きなデメリットが、故障時の対応です。最近ではショップも増えてきましたが、依然としてショップを持たずにネットでしか受け付けていないMVNOも数多くあります。そのため、もし端末が故障したとき、受け付けてくれる窓口がないのです。有料オプションで端末保証もありますが、どちらにしてもキャリアを使っていたときより不便を感じることは多いでしょう。
どこを選べば良いかがわからない
さらに、選択肢が多いというのも、人によってはデメリットになってしまうでしょうか。キャリアであればドコモ、au、ソフトバンクの3つから選ぶだけだったのですが、MVNOの数は数十社のなかから選んでいくことになります。それぞれで料金、サービス、速度などに違いがあり、自分に合ったSIMを選ぶには入念な事前調査が必要です。
かけ放題はオプションで○○分以内というものが多い
また、通話料にも気をつけなければなりません。キャリアも格安SIMも通話料は20円/30秒です。しかし、キャリアの場合は基本プランの中に30分or60分相当の無料通話がついていたり、5分以内の通話なら無料となっていたりします。一方で格安SIMには通話料半額アプリこそあるものの、かけ放題は基本的に有料オプションです。
各MVNOでは、+850円で5分以内の通話が無料というものが多いですね。キャリアでは基本料金+1000円で利用できた無制限のかけ放題も、キャリアで取り入れているところはごく少数です。
格安SIMのデメリットについては過去の「格安SIMデメリットまとめ」という記事の中でこれ以上ないくらい書いてあるので、気になる人は読んでみてください。
正直、たいしたデメリットが無いことがわかると思います。
格安SIMの申し込み方法
格安SIMを申し込むには、基本的にはネットから申し込むことになります。最近は店舗を構えるMVNOも増えてきましたが、このネットからの申し込みもまだまだ主流です。各MVNOのホームページに申し込みのフォームがありますので、そこに必要事項を記入しましょう。住所・氏名などのほか、支払いに使うクレジットカードの番号なども入力します。
さらに音声通話SIMに申し込む場合は、身分証明書(免許証など)の写真の添付も必要です。また格安SIMはMNPも利用できます。Mobile Nunber Portabilityの略で、簡単に言えば番号引き継ぎシステムですね。キャリアの時に使っていた番号を、そのまま格安SIMでも引き続き使用することが可能となります。利用する際は、まずはキャリアの店舗orマイページから、MNPの申し込みを行いましょう。
そうするとMNP予約番号が発効されますので、格安SIMが届いてから、この予約番号を入力すればOKです。ちなみにMNPの予約番号を入力した時点でキャリアとは解約になります。もし契約更新月以外にMNPを行った場合、違約金が発生するので注意してください。
格安SIMの支払いについて
格安SIMの支払いは、クレジットカードが基本です。以前には口座振替やデビットカードに対応していたMVNOはあったのですが、最近はその支払い方法での受付を中止して、クレジットカード1本になっているところがほとんどです。楽天モバイルのように、今でもデビットカードの支払いに対応しているところはありますが、基本的にはクレジットカードが必要と思っておいたほうがいいでしょう。